アントワーヌ・ドワネルの冒険(その1) ー 大人はわかってくれない - 400 cents coups (仏題)


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フランソワ・トリュフォーは、私がこのブログのタイトルにした”アントワーヌ・ドワネル”という魅力的なパリジャンをこの世に送り出した、フランスの映画監督。
このアントワーヌを主人公として、1959年から20年にわたって5部作が制作され、いずれの作品においてもジャン・ピエール・レオーという、同じ俳優がアントワーヌを演じた。

        
     60年代はじめの頃のジャン・ピエール・レオー。
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主人公アントワーヌは、トリュフォーの分身とも言われ、監督の自伝的な作品でもある。
これらの連作は「アントワーヌの冒険」とよばれ、トリュフォーの作品郡のなかでも最も重要な位置を占める。どの作品も独特の味わいがあり、観るたびに新しい発見がある。もう一度、そのひとつひとつの映画の魅力をふりかえってみよう。


これは1959年日本公開の時のポスター。いい味でてる!

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連作の最初の作品である「大人はわかってくれない」は、1959年に14歳のジャン・ピエール・レオを起用して撮影された(白黒)。この映画の、ジャン・ピエール・レオーのあどけなさと、すでに大人顔負けなまでに個性の備わった演技には脱帽!
早熟で、読書好きで、夢見る自由人アントワーヌのものがたりはここから始まるわけだ。
この作品で語られるのは、アントワーヌの子供時代。といっても、決して「子供向けに」作られた作品ではない。厳格なくせに甲斐性のない父親、子供への愛はあるのに男との情事に走る母親、制約の多い学校生活....。そんな中で反抗を繰り返しながら生きる術を発見してゆくアントワーヌの姿は、むしろ痛々しい。

アントワーヌは典型的な、今で言う「グレた」子供だ。でもどこか飄々として、誰も犯すことのできない彼だけの清潔な領域を保っているのは、彼がすでに文学や音楽に目覚め、それによって自分の目指すべき道をどこかに見ているからだろう。
アントワーヌの家は貧しくて、個々の部屋も持たない生活だけれども、彼は敬愛するバルザックのための祭壇を部屋の隅っこにこしらえた。そここそが彼の居場所なのである。 でも、たとえ崩壊しかかった家族であろうと、そこにやっぱり子供はぬくもりを求める。アントワーヌが車のなかで父と母と楽しそうにしてるシーンは、切ないほど無防備で泣けてくる。

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# by kuro_music | 2014-12-18 19:52 | kuroの試写室

ベルヴイル散歩

今日は、私の住んでいる地区をご紹介します。この地区は、ビュット・ショーモンとベルヴィル公園というふたつの大きい公園をかかえている。古いシャンソンに出てくるメニルモントンも、目の前に見える教会からすぐ。
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このあたりは移民が多く、数年前はこんないい感じのカフェなどひとつもなくて、結構危険な地区(!)として名を馳せていた。それがここ4~5年の家賃などの高騰により、いわゆる中産階級のひとたちで、どちらかというと庶民的な雰囲気のなかで生活したいわ!ってひとたちが移り住んできてくれたおかげで、だんだん雰囲気が改善され始めた。今じゃアート・ギャラリーや素敵な本屋さんだってある。


これがベルヴイル公園のほんの入口。 高いところにあるから、パリ中が見渡せるすごい公園!
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ベルヴイル通りにあるE.ピアフが生まれた家。前を歩いてる観光客が、突然足を止めて上を見上げるから 危なくて困っちゃう!
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「言葉に用心」?

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さて、これはちょっと独特のカフェ・レストラン。非営利団体が運営していて、ボランテイアと会員のひとたちに支えられている(2ユーロで誰でも会員になれる)。週末だけの営業で、午後はコーヒーやBIOの飲み物などが楽しめるカフェとして、夜はレストランになる。お料理は多国籍で、16~17ユーロのコースのみ。ワインも選べる。狭い店内は、10人も座れば一杯になってしまう。だから、いつも満員! ギャラリーとしても機能していて、若いアーテイストの作品を6週間ごとに紹介している。魅力的なアドレス! 

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 壁にかかるアーテイストの作品

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  前菜からデザートまで、ヘルシーかつ独創的なメニューで狭い店内はいつ行っても満員!アット・ホームな雰囲気もご馳走のうち。
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 赤ちゃん抱いててもこの通り!
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 KIWIZINE - 92 Rue Rebeval (19区)/Metro :PYRENEE 

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# by kuro_music | 2014-12-06 18:37 | パリでお散歩

Une nouvelle amie 

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直訳すれば、「新しい女友達」というタイトルの、オゾン監督最新作。   
久しぶりに、フランス映画らしい(!)フランス映画を観た気がした。
フランス映画というのは、昔から私にとって特別な「インスピレーションの泉」だった。
思えば、私が少女だったころに、東京の映画館で観たフランス映画はどれも、強く感性と知性に訴えてきて、強烈な印象を残すものが多かった気がする。
たとえばクロード・ミレールの「ちいさな泥棒」(これは、つい最近シネマテーク・フランセーズで再び観て、やはりこころを強く揺さぶられた)とか、エイズで若くして逝ってしまったシリル・コラールの「野生の夜に」とかいった作品のなかに私が見出したのは、自由に生きること、自分らしく生きる権利が誰にでもあるのだということ。そしてたとえそれがどれほどの代償を求めようとも、それらの代償は支払う価値があるのだということだった。

それと同時に、私がフランス映画から大きく影響を受けたのは、やはり「愛」というものの価値観においてだと思う。
愛に関するかぎり、欲望は卑しいものなどではなく自然なもので、世間一般に言われるタブーだって、フランス映画の中ではちゃんとその地位を確立している(さすが、サド侯爵を生んだ国)。
そもそも、なぜタブーなのか? この世には 「個人」があるだけだ。
それが、はたしてタブーかどうかは自分で決めればいい。
そんなふうに、実にさまざまな「愛し方」を教えてくれたのが私にとってのフランス映画だった。(でも、そのフランス映画も最近では やはり時代の波に乗らなければやっていけないのかと思うような作品が多く、以前のような強烈な作家性が失われてきていることは確かだろう)。

フランソワ・オゾンは、そういった意味で徹底してテーマを追求してきた数少ない作家のひとりだ(もうひとり、オゾンと似た意味でアウト・サイダー的な恋愛を執拗に描いてきたクリスチャン・オノレがいる)。
彼らに共通するのは、「タブー」に挑戦すること。偽善的なものや生ぬるいものをとっぱらって、「これが人間なんです」と、いわば挑戦状を突きつけてくる。
だから私たちは毎回、彼らの映画をどきどきしながら観にいくことになる。
この映画においては、ダヴィドが女装した時だけ存在する「ヴィルジニア」という女がその挑戦状だろう。でも、映画の中ではこの虚構の人物であるはずのヴィルジニアは、むしろ、実際のダヴィドよりもずっとたくさんの使命を担っている。だからこのヴィルジニアは虚構なんかじゃない。 この映画が面白いのは、それが「ごく普通に」出会い「ごく普通に」結婚した、どこにでもいるであろう二組のカップルの物語だというところである。だから簡単にレズ、ホモ、などといったボキャブラリーでカテゴライズすることすらできない。
ヴィルジニアは誰の心の中にも存在するのだと私は思う。ただその存在を認めてあげたときに初めて何かが変わる。 ひとりの人間が、誰かの影響を受けて変化してゆくことがどれほど素敵なことかが、この映画を観ていてわかる。
この映画を、誰か大切なひとと観て欲しい。

Une nouvelle amie 監督:Francois Ozon(フランソワ・オゾン)、出演:Romain Duris(ロマン・デュリス)、Anais Demoustier(アナイス・デムスチエ)(2014年11月5日フランス公開)
 

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# by kuro_music | 2014-12-04 08:59 | パリで今話題の映画

フランスの北の海辺 ール・アーヴルー

2011の春、パリでのルーテイーンな忙しさに疲れた私は ふと海が見たくなった。
でも、風光明媚な地中海は遠すぎる。
それでは、パリからもそんなに遠くない北の海にしようと、一泊二日の一人旅を計画した。
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平年に比べると、この年の四月はあたたかだった。写真はなんとなく天気が悪そうだけれど、この日は初夏のような気候で海岸にはかなりの数の人々が。

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 ニースの海岸のような華やかさはないけれど、どこか野生の海といった迫力がある。思索にふけるにはぴったりの海岸だ。

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  ホテルは、海岸から歩いて10分もかからないところにあるちいさなホテル。
  海の見える部屋を予約した。

 
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 海のまん前というわけではないけれど、海に浮かぶヨットが遠くに見えて素敵。部屋にはたくさん窓がついていた。開け放すと、潮風が部屋いっぱいに押し寄せる。天国にいるみたい。贅沢な海辺の夕暮れ。
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 明日はエトルタまで行ってみよう。

Hotel des Phares :3, Place Clemanceau-76310 Sainte-Adresse
www.hotellehavre.fr



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# by kuro_music | 2014-11-30 20:48 | たび

サン・マルタン運河沿い

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もう、あとはクリスマスめがけてまっしぐら!!という冬気分でいたある日、突然のプレゼントのようなお散歩日和の週末が訪れた。
そこで、最近注目されているスポット、サン・マルタン運河沿いを歩いてみることに。いたいた!老若カップルに観光客。このあたりの普通ぽくて、すこ~しさびれた雰囲気がとてもいい感じ!パリに10年も住んでいるのに、一度も歩いたことのないゾーンだった。
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このあたりは、セーヌ川沿いの「いかにもパリ」的な感じじゃなくて、むしろほかのヨーロッパの街に共通する雰囲気がある。個人的には、ミラノのナヴィリオ地区を思い出してしまった。
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この先には、M.カルネの「北ホテル」の舞台となったホテルがある。現在に至るまで、ちゃんと現役!!
想像していたよりも、ずっとちいさなホテルだった。ここのレストランは結構有名で、人気スポットらしい。

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それからすぐ先に、近頃話題のサロン・ド・テがある。 外見は目立たないのに、扉を開いてびっくり。可愛い!!ー そういえば、" kawaii" はすでにフランスでも使われ始めている言葉。 それにしてもこの店、代官山あたりにありそう!
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 お店の名前は、"La Chambre aux Oiseaux"(ラ・シャンブル・オ・ゾワゾー/鳥たちの部屋)。 パリではめったにお目にかかることのない、とびきりおいしいフィルターコーヒーがマグ・カップでたっぷり飲める。加えて、ここのケーキはすべて手作り、とくれば当然朝食も大人気(写真)!特筆すべきは、店のインテリア。味のあるアンテイークの家具や小物は見ているだけでもうっとり。素敵だからって、持って帰らないように!

La Chambre aux oiseaux - 48 Rue Bichat (10区)Metro:Republique Jacque Bonsergent




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# by kuro_music | 2014-11-30 08:22 | パリでお散歩