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私はシャルリー

私がお正月休みを終えてこちらに戻るという日の前日、その事件は起きた。
パリの新聞社でテロが起き、12人もの人達が殺されたのだ。標的となったのは、シャルリー.エブドという風刺新聞に携わる人々。当然の事ながら、風刺画を描く漫画家や編集者たちも含まれていた。テロを引き起こしたのはイスラム過激派の若い兄弟だった。新聞がイスラム教を風刺したことが原因だ。でも、この新聞は反イスラムを掲げているわけではない。今までに風刺されたのは、ローマ法王にベルルスコーニ、日本の福島の事件に至るまでたくさんの社会現象を彼らなりのやり方で風刺してきた。いわばフランスの言論の自由を代表するような存在だったのだ。
この事件が起きた翌々日、又してもパリで二つのテロが起きた。例の新聞社の事件後、逃亡していたテロリストの兄弟が、今度はパリ空港からそう遠くないところにある企業の建物に立てこもった。ほどなくして、二人とも警察の放った弾で命を落としたが、それから数時間後パリの東側で別のテロ事件が起きた。ユダヤ人の商店を狙ったテロだった。本当に信じられないような1日だった。スーパーマーケットに行くことすら恐しく感じられた。
でも、この日から数日たった1月11日の日曜日、パリ中の人々が共和国広場に集まった。この国の合言葉である自由、平等、博愛を互いに確認し合うために。[宗教以前に私達は人間だ]と書かれたプラカードがパリの町中に踊った。
160万人の行進に混じって歩きながら、再び自分の暮らす街と人々について思いをめぐらした。これだけ小さな街にこれだけたくさんの、文化や宗教の違う人びとが暮らすことについて。そしてそんな違いをものともせずに独自の文化を築き上げてきたパリという街の懐の深さと、そんな街を愛して止まない人々の思いを痛いほど感じ、私もこの街に暮らすことのできる幸せをそっとかみしめた一日だった。

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あちこちにトリコロールの旗とプラカードが踊った。

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(右奥のプラカードから): 私はシャルリー、私はフランス、私は共に生きる (左の夫人): 無宗教の表現の自由
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一般の人々が心をひとつにした日
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[私は人間]と書かれたプラカード。
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この人の背中には、キリストと、モーゼとマホメットが仲良く歓談しながら[平和のメッセージはおなじなのにねえ]と言っている様子が描かれている。
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by kuro_music | 2015-02-19 02:57

パリ住在のヴァイオリニスト。パリでの日常、こんなこと、あんなこと。そして、大好きな映画について。


by 名無しのゴンベイ